2016-01-01から1年間の記事一覧

玉の緒の長き袂を・・・

肩からすうーっと床に垂れた極彩色の細長い練り絹。 振袖の魅力は何といってもその長く豊かな袂だ。 着る人の動き合わせて優雅に舞うその様はなんとも形容しがたい。 女なら一度は着てみたいと思うのは無理もないことだ。 それどころか男でさえ虜にしてしま…

白無垢の振袖

何年か前に手に入れた白生地があった。 そのうちに染に出してなどと考えていたのだが、ずっと眠ったままになっている。 このままにしておいてはもったいないので染に出そうと思ったのだが、なかなかいい色が思い浮かばない。 そこでふとこのまま仕立ててみだ…

金襴の懐紙入れ

時代劇などを見ていると武家の女性は必ずと言っていいほど胸に懐剣と懐紙入れを差している。 懐剣は常に差しているのだろうか、それとも外出する時だけなのかその辺はよく分からない。 懐紙入れはいつも差しているように思う。 姫君などのように身分の高い女…

時雨模様

神無月もはや晦日、今年も残すところ二か月となった。 年を経るごとに時間の経つのが早く、子供のころの一年は今のひと月 と同じくらいに感じる。 今日は晴れて部屋の奥まで日が差し込んで、昼間は長袖では暑いほど だった。 しかしこの時期天気が悪いと真冬…

大振袖

最近振袖の袖の長さが気になっている。 振袖の袖丈は人よってまちまちのようだ。もちろん身長がそれぞれ違うのだから袖丈も違うのは当然だ。 問題は着た時の長さだ。 袖下が膝下くらいの比較的短いものから、着丈と同じくらいの長いのもある。標準というのは…

梅雨寒

初夏とはいえこの時期、晴れると日差しが強く、気温は30度を超えることもある。 そんな日が続くと、さすがに着物を着る気になれず、欲求不満気味になってくる。 しかし梅雨前線が南岸に停滞し、前線の北側に入ると日差しも途絶えて、ひんやりとした冷気に包…

素人和裁の楽しみ

退職してから暇ができて裁縫をよくするようになった。 特にやろうと決心して始めたわけではないが、よく着る着物のほつれを縫ったり、寸法を直したりしているうちに針と糸に馴染んできて簡単なものなら縫えるのではないかと思ったのだ。 ちょうど寒くなった…

羽織の帯山

前回の記事にも書いたが、羽織の下は普通お太鼓に結ぶのでなだらかできれいな帯山ができる。 文庫結びの上に羽織を着ることは通常はあまりないのだが、着てみたら帯山が大きくてこれはこれでなんとも魅惑的ではないか。 その姿を鏡に映してじっと見ていたら…

振袖羽織

女性の帯付き姿もいいが、羽織姿も奥ゆかしさが感じられて好きだ。着物のポイントとなる帯を敢えて隠しながら、帯山を覆ったラインが優しさを醸し出す。 羽織はもともと男の物だったので、昔は女が羽織を着ることはなかったようだ。今でも女性は正式の場では…

慮外者ッ

何事じゃ 騒々しい 姫様 曲者にござりまする 慮外者ッ 妾を繭姫と知っての 狼藉か その分には捨ておきませぬぞ 止むを得ぬ 無双流小太刀免 許皆伝 繭姫がお相手申し ましょうぞ いざ どこからでも 参るがよい 容赦はせぬぞえ …時代劇の見すぎかも。

文庫結び

近頃帯結びにはまっている。 私は女の着物が好きでいままで色々な着物を集めたり着たりして楽しんできたが、帯にはあまり興味がなかった。 本来着物とは帯を締めてこそその優雅な美しさが発揮されるものだ。 しかし私は絹の着物の滑らかな肌触り、しなやかさ…

丸ぐけの帯締め

現代のすっきりした装いの着物には組み紐系の帯締めがぴたりとはまると思う。伸縮性もあって締め心地もよさそうだ。 しかし私の好きな裾や袖口に袘綿の入った昔風の着物にはちょっとそぐわないような気がする。 ここはやはり存在感のある丸ぐけの帯締めの出…