金襴の懐紙入れ

時代劇などを見ていると武家の女性は必ずと言っていいほど胸に懐剣と懐紙入れを差している。
懐剣は常に差しているのだろうか、それとも外出する時だけなのかその辺はよく分からない。
懐紙入れはいつも差しているように思う。
姫君などのように身分の高い女はもっと大仰な筥迫というものを懐に抱いている。
筥迫は富と権威の象徴で庶民には縁のないものだったようだ。
本来は携帯用の化粧道具入れだったが、一番目立つ胸元に差したことからその装飾性が注目され徐々に華美精巧になっていた。そしてとうとう本来髪に差すはずの簪をも取り込み、びらびら簪つきの筥迫になったらしい。
 
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着飾ってこんな筥迫を差したらたまらないだろうなあ。男力が上がること間違いなしだ。

作ってみようかなと思ったが、ちょっと簡単にはいきそうにない。
懐紙入れならそれほど難しくはなさそうなので、作ってみることにした。
作り方は思ったより簡単だ。70㎝×20㎝くらいの気に入った端切れがあったら、裏に接着芯を貼りつける。
それからポケットになる部分を折って、両端を縫う。
後は表に返せば出来上がりだ。

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同じ生地で丸ぐけの帯締めも作ってみた。
ついでに抱え帯も作りたかったが、用布が足らず作れなかった。

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こうして紙入れを懐に差してみても大部分が隠れてしまうので、あまり目立つことはない。思ったほどの変化はないものだ。
そこで胸元をアップにしてみた。

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いい加減な着付がバレバレで、逆効果かも…

それにしてもこうして厚着をして帯を締めても汗ばむこともなく快適だ。
いまが着物を着るには一番いい季節なのかもしれない。

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