2017-05-01から1ヶ月間の記事一覧

髪結い亭主

髪結いの亭主といえば男なら誰しも一度は憧れるものだろう。 何しろ女房に稼がせて自分は遊んで暮らせるというのだから、こんないいことはない。 世間知らずのちょっとぐうたらな男を想像するが、そんなステレオタイプとはちょっと違った髪結い亭主の話を昔…

時代劇の愉しみ

豪華な調度に彩られた寝室をぼんぼりの柔らかな灯りが照らす。枕屏風の側近く延べられた華やかな夜具。その二枚重ねの豪華な褥の上で柔らかそうな綸子のお引き摺りの部屋着をまとい、鴇色のしごき姿で脇息に寄り添うのは浪路。ゆったりと抜いた衣紋から覗く…

花嫁のイメージ

文金島田に髪結いながら 花嫁御寮はなぜ泣くのだろ 泣けば鹿の子の袂が切れる 涙で鹿の子の赤い紅にじむ 高島田に結い上げた黒髪にまばゆいばかりの簪。 赤い鹿の子の豊かな袂をゆらしながら嫁ぐ花嫁。 祝言の宴。見知らぬ人々のさんざめき。 はや宴もたけな…