裁縫日記

振袖を縫う(2)

ここまでくるともう出来上がりは目前で、針を運ぶ指先にも力が入る。 一時も早く着てみたくていつもなら気が逸ってしまうのだが、今回は楽しむようにゆっくり、丁寧にやった。 衿を始末して、最後に共衿をかけてできあがりだ。 最初の仮仕立ての時と同じよう…

振袖を縫う(1)

振袖や訪問着などの晴れ着は絵羽模様が多い。着物をキャンバスに見立て一枚の絵のように模様がつながっている。 反物状態でではその模様がわかりずづらいので、着物の売り場では仮絵羽にして衣桁などにかけて展示していることが多い。 ふつうはそのまま呉服…

素人和裁の楽しみ

退職してから暇ができて裁縫をよくするようになった。 特にやろうと決心して始めたわけではないが、よく着る着物のほつれを縫ったり、寸法を直したりしているうちに針と糸に馴染んできて簡単なものなら縫えるのではないかと思ったのだ。 ちょうど寒くなった…

丸ぐけの帯締め

現代のすっきりした装いの着物には組み紐系の帯締めがぴたりとはまると思う。伸縮性もあって締め心地もよさそうだ。 しかし私の好きな裾や袖口に袘綿の入った昔風の着物にはちょっとそぐわないような気がする。 ここはやはり存在感のある丸ぐけの帯締めの出…

裁鎮

裁縫をするようになって裁鎮(さいちん)という言葉を初めて知った。 文鎮なら小学生でも知っているだろう。 もっとも近頃学校で書道を教えているのかな?教えていなければ無理だろうが・・・ 文鎮は文字を書くときの重し、裁鎮は裁縫をする時の重しだ。 使…