時雨模様

神無月もはや晦日、今年も残すところ二か月となった。
年を経るごとに時間の経つのが早く、子供のころの一年は今のひと月
と同じくらいに感じる。

今日は晴れて部屋の奥まで日が差し込んで、昼間は長袖では暑いほど
だった。
しかしこの時期天気が悪いと真冬のような寒さになる。
この日は朝から時雨模様で、折から咲き始めた山茶花が冷たい雨に打
たれてはかなげだ。
こんな日は絹のやさしさとぬくもりが恋しくなる。
思いがそこに及ぶともう堪え性がなくなる。
朝から始めた裁縫を早々に切り上げ、まずは風呂場へと向かう。
 
先日仕立てた綿入れ長襦袢を着てみることにした。
ふにゃふにゃとして頼りないので下に袷の襦袢を重ねてみた。

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洋装でシュミチョロはタブーだが、着物の振りや袖口からチラチラ覗
く襦袢の何と色っぽいことか。
その思いが昂じてチラチラでは物足らなくもっと艶めかしい長襦袢
見せびらかしたい…

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長襦袢は普通長着より袖幅を2(8ミリ)控えるが、この襦袢は袖
幅を長着と同じにした。
 
今の感覚からするとちょっと品がないが、浮世絵などを見ると昔はみんなこんな着方をしていたようだ。