雪乃幻想(13) 衣桁責めその2

 

「早くせぬかッ」
険しい声に気押しされたように雪乃は裾前に手をやるのでございます。
あでやかな友禅のお引きずりの前をかき分けると赤い鹿の子の長襦袢、その下には真っ赤なお腰が…ぷっくり膨らんだそのお腰の裾前を割ると雪乃の男の徴がそそり立っていたのでございます。
ああ、お母さまの前でこのようなはしたない姿を…そんな思いに雪乃の肉棒は萎えるどころか被虐の悦びにますます硬直の度を増していくのでございました。
「ほう、艶やかな振袖の奥深くそのような物を秘めていたとはのう。それは何じゃ」
「……」
「言わぬか」
「雪乃の核(さね)にございます」
「なに、さねというか」
「はい…」
「妾をたばかるか」
お母さまはそう一喝すると、やおら胸高に差した懐剣袋の房紐を引くと懐剣に手をやったのでございます。
「お、お母さま、お許しください」
時鳥の凄惨な姿が頭をよぎった雪乃は慌ててそう口走ったのでございます。
お母さまは音もなく鞘を払うと順手に持った懐剣を雪乃の股間へ突き付けたのでございます。
「ヒ―ッ」
雪乃は悲鳴を上げたのでございました。
するとお母さまは刀身の腹を雪乃の硬直に当て
「このようなさねなどあるものではないわ。本当のことを申すのじゃ」
そう言いながら今度はぴたぴたと叩くのでございました。
「ああ、お赦しを…雪乃が悪うございました。本当なことを…」
雪乃は必死で詫びごとを口走ります。
しかし言葉とは裏腹な雪乃心…ああ、うれしい…お母さま…雪乃はお母さまの目の前で裾前を割って、硬直した雪乃のお○○○○を晒しているの…それを懐剣で嬲られて…夢のよう…お母さま,もっと、もっと雪乃を虐めて…
「その場しのぎの嘘をついたり、留守の間に良からぬことを企んだり、そなたは本当に性悪じゃ。今宵はその性根を叩き直してやるわ」
お母さまはそう言うと打掛を肩からさっと滑り落とすと、部屋の隅にある衣桁を重そうに引きずりながらお部屋の中ほどに据えたのでございました。
その衣桁は書院造の武家屋敷にふさわしく武骨で頑丈な造りでございました。
雪乃はその間に急いで赤ちゃんを背から下すとお部屋の端へ非難させたのでございます。
ねんねこ袢纏にくるまれて寝かされた赤ちゃん人形のあどけない顔を見ながら,雪乃は話しかけたのでございます。
「お母さまはこれからお祖母さまのお仕置きを受けるの。どんな辛い仕置きでもお母さまが悪いのだから仕方がないの…今夜は無理だけどいつか二人でお父さまのところへいきましょうね」
そんなことを呟きながら雪乃は己の恥ずかしい姿を赤ちゃんにみられないように、ねんねこ袢纏でその顔をすっぽりと覆ったのでございました。
「なにをぐずぐずしているのじゃ」
厳しいい叱声にびくっとして立ち上がった雪乃は引き寄せられるように衣桁に向うと、待ちかねたようにお母さまは雪乃の両の手を衣桁の桟に腰ひもで括り付けたのでございます。
続いて雪乃の細い両足首は下桟に縛り付けられたのでございました。
普段はきらびやかな衣裳が掛けられるはずの衣桁に、艶やかなお引きずり振袖姿の雪乃が大の字に括り付けられているのでございました。
更にお引きずりの長い裾の褄先は左右に大きく開かれて、その先は縦桟に結ばれたのでございました。
すると顕になった紅い鹿の子のお襦袢にはすでに大きな膨らみが…一時小康を保っていた雪乃の男は再びむくりとその鎌首をもたげ始めていたのでございます。
目敏くその膨らみを見付けたお母さまは懐剣の先で小突きながら、
「この膨らみは何じゃ」
「……」
言葉で嬲られたうえに小突かれ弄られた雪乃の秘所は熱き血潮が凝結し、真っ赤な薄絹の中でもがいているのでございました。
するとお母さまは懐剣の先でその薄絹を器用に払い除けたのでございます。
ああ、何という恥ずかしい姿…薄化粧に艶めかしいお床入り姿に装った雪乃は衣桁に大の字に括り付けられたうえ、裾前を割られて股間からその姿にあるまじき巨根を垂直に突き立てているのでございました。
艶めかしい練り絹を押しのけるようにしてそそり立つ肉塊の先には早くも透き通った粘汁が滲み出し、雫が一筋糸を引いているのでございました。
「二つ枕に三つ重ねのはずが、衣桁責めの晒し者とは哀れなことじゃ。少しは身に染みたか」
「ああ、お母さま、雪乃が浅はかでございました。お赦しを…」
そう詫びる言葉とは裏腹に雪乃の心は湧き上がる被虐の悦びに溢れていたのでございます。
そんな心のうちをおくびにも出さず、
「ああ、苦しい…お母さま早くここから下して…雪乃が悪うございました。もう二度と…」
「少しはこたえたようじゃの。しかし妾ををいつもと同じと思ったら大間違いじゃ。今宵の母を百合の方の化身と思うがよい」
その言葉を聞いた雪乃は震え上がったのでございます。
時鳥のように嬲り殺しに…まさか…千々に乱れる雪乃の心でございました。
しかしお母さまは懐剣を鞘に納めると、手元の箱から異形のものを取り出したのでございます。
始めて目にするそれは荒縄を丸めたたわしのように見え、紐でできたこけしのようにも見えたのでございます。
「そなたの邪まで淫らな心はきっとこの肥後ずいきが浄めてくれるでしょう」
お母さまはそう言うと、たっぷり水を含んだ肥後ずいきを取り上げきゅっと一絞りして衣桁の後に回ったのでございます。
雪乃は何が始まるのか怪訝に思っているといきなりお引きずりの裾がまくられ、あっという間に雪乃の双丘が露わにされたのでございます。
その双丘に挟まれた雪乃の菊門はすでに熟れた果肉のように柔らかく、甘い蜜をたたえているのでございました。
「お母さま、それだけはお許しを…」
雪乃はお母さまの意図を察してそう懇願したのですが、お母さまは容赦なく肥後ずいきの先を雪乃の菊座ヘ当てがったのでございます。
すると湿り気のある柔らかな異形はあっという間に菊門を侵し、ずぶずぶと雪乃の中へ…。
お母さまの息子に生まれた雪乃は今、娘のように艶やかに装われて、菊門を異形の物体に犯されながらまるで着物のように衣桁に架けられているのでございました。
そんな雪乃の姿に目を当てていたお母さまは何を思ったか、部屋の端へ寝かせた赤ちゃん人形を取り上げたのでございます。
「そなたの好きな人形に己のあさましい姿を見てもらうのじゃ」
そう言いながら赤ちゃんを雪乃の目の前に座らせたのでございました。
「ああ、お母さま、やめて」
思わず雪乃は叫んだのでございます。
今の雪乃の姿を赤ちゃんに見られることは雪乃にとって身を切られより辛いことでございました。
さりとて四肢を縛められている雪乃は身を隠すことも能わず、
「お母さま、お願い…お人形を隠して…」
そう懇願する雪乃を尻目に、お母さまは傍らに脱ぎ捨てた打掛を手に取ると鮮やかな所作で身に纏ったのでございます。
「しばらくそうしてわが身を省みるのじゃ」
お母さまはそう一言いい残し、打掛の裾をさっと翻すと見栄を切るように襟を扱いたのでございます。
それからおもむろに打掛の長い裾を引きずりながらほの暗い奥へと姿を消したのでございます。
雪乃は己の身の上も忘れ、お母さまの役者のように美しいい所作にただ見とれるばかりでございました

異変に気が付いたのはそれからほんのしばらく後のことでございます。
「はぁ~…」
思わず雪乃の口から吐息が漏れたのでございます。
熱い…肥後ずいきを咥えたお菊がかすかな痒みを伴いながら熱を帯びているのでございました。それは徐々に増幅しながら得も言われぬ心地良さへと…
堪らず不自由な態勢で腰をくねらせると、着重ねた練り絹が肥後ずいきを程よく刺激し、雪乃は悶え続けたのでございます。
心地よさに身を委ねながら薄目を開けると雪乃の目に入ったのは目の前に座った赤ちゃんの姿でございます。
「あ、綾乃ちゃん、お母さまを見ないで」
浅ましい姿を見られる恥ずかしさに必死でそう叫んだのでございまが、お人形にそんな思いが伝わるはずもなく、つぶらな瞳を雪乃に向け続けているのでございました。

雪乃は肥後ずいきのもたらす狂おしいほどの快楽にその身を委ねながら、身悶えし、嬌声を上げ、歓喜の涙を流したのでございます。
終わることのない肛淫の悦び…。
やがてお引きずりの裾前を割って屹立した雪乃の男の先から白濁が溢れ、たらたらと流れ始めたのでございます。
栗花の香を漂わせながらそれは止めどなく流れ続けるのでございました。