お義父さまのお手がついて側室として広大なお屋敷の奥まった一室に暮らすことになった雪乃は、無聊を慰めるため踊りのお稽古を始めたのでございます。 基本のお稽古が一通り済んだころ、いきなり大曲の藤娘など恐れ多いことですがお師匠さまに無理を言って稽…
その日は春も間近というのに夕方から雪もちらつき、底冷えのする晩でございました。 こんな日は好きな重ね着をして絹のぬくもりにくるまれるのがこの上ない悦びなのでございます。 はじめにたっぷり真綿を含ませた真っ赤な綸子のお襦袢をまとい、その上に鹿…
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