振袖羽織

女性の帯付き姿もいいが、羽織姿も奥ゆかしさが感じられて好きだ。着物のポイントとなる帯を敢えて隠しながら、帯山を覆ったラインが優しさを醸し出す。
 
羽織はもともと男の物だったので、昔は女が羽織を着ることはなかったようだ。今でも女性は正式の場では羽織を着ない。
ただ黒紋付羽織だけは例外的に礼装の扱いを受けるようだ。下の着物は何でもいいので随分重宝されたようだが、いつの間にかこの風習はすっかり廃れ今ではほとんど見ることはなくなった。
黒紋付姿の母親に伴われて、小学校の入学式に臨んだはずなのだが、全く記憶がない。
それはあまりにも遠い昔のことなので記憶が薄れたのか、はたまた女の着物にはまだ目覚めてなくて興味がなかったからなのか定かではない。
 
振袖は若い娘の盛装だ。だから羽織を着ることはない。
でもやっぱり華やかな振袖に優雅な羽織を重ねてみたらさぞ趣があるのではないか…ということで振袖羽織を着てみた。
昨今巷では長羽織が流行りのようだ。膝が隠れるくらいから、くるぶし近くまで長いものもある。
昔はお尻が隠れるくらいの丈が普通だったように思う。今もしそんな羽織を着ていたら、とても奇妙に感じてしまう。
流行とは妙なものだ。
敢えて流行に異を唱えるつもりはないので、丈は長めにした。
もっとも振袖なので身丈も相応に長くしないとつり合いが取れないこともある。

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