2019-01-01から1年間の記事一覧
同好の士で当ブログの数少ない読者でもあるkさんのサジェストもあり、先代萩の八汐の所作をまねてみた。 若君毒殺の発覚を恐れた八汐は千松殺害を決意する。 房紐を解き放ち、懐剣を構える。 懐剣を振りかざし、千松を追う八汐。 千松を捕らえた八汐は千松…
手鞠模様の地紋が織り出された綸子の襦袢地で仕立てた引き振袖だ。襦袢用の生地なのですべすべと柔らかく手触りがとても滑らかだ。重厚さと更に手触りを滑らかにするため綿入仕立てとした。綿は全体ではなく袖とおくみ、身頃の腰から裾までに入れた。上半身…
重ね着フェチなので着物を着るときは大抵二枚以上重ね着することになる。同じ寸法の着物を重ねてもよいのだが、下重ね用に一枚縫ってみようと思った。今時は二枚襲といってもほとんどが比翼仕立てだ。外見は同じに見えるが、中身は空っぽであまり好みではな…
衣紋を大きく抜いてお振袖を着ました 白いうなじに後れ毛が二筋三筋 後からそっと抱かれて唇を押し当てられたら そのまま崩れ落ちてしまいそう
私はお金で買われたお妾花嫁。 夜毎きらびやかに装われて殿方のお褥へ召されるのです。 旦那さまに可愛がられてめくるめく一夜を過ごした私・・・ 気がつけばはや東雲。 初々しい花嫁姿はすでになく、落花狼藉の体。 私は寝乱れた白無垢の長い裾を引きずりなが…
鹿の子の襦袢の魅力に目覚めたのはかれこれ二年くらい前だろうか。 着物の下に着る長襦袢なので袖口や振りからチラッと見えるだけで他はほと んど見えない。 なのに全体に手の込んだ絞り染めの絵羽模様が施されている。見えないとこ ろになぜそれほどまで手…
以前寸法をお直しした打掛は花嫁衣裳の白無垢だ。 白の引き振袖に重ねて花嫁の純潔と無垢を象徴する。 そんな白打掛だがせっかくなので、他の衣裳と合わせてみたらまた違った雰囲 気がでるのではないだろうか。 そこで若紫のお引きずりの上に羽織ってみた。 …
お家再興のため隣国の領主の側室になることを決意した姫は白無垢姿で殿のご寝所へ赴く。 ー不束者にございますが… ー姫、余の子を生むのだ それが戦乱の世に身を置く 女の生きる道じゃ ー… ……………… 夜も更け有明の月が西に傾くころ、ご寝所を後にする姫の姿が…
白無垢の掛下を自分の寸法に合うようにお直ししたことは以前に書いた。 白無垢の引き振袖として、また引き振袖の下襲としても重宝で愛用してい が、打掛を着たくても寸法が合わないので、うまくいかない。 白無垢の引き振袖を着ていると、それだけでは何とな…
後ろ手に縛りあげられ、広間を引き回される花嫁。 なめらかな沙綾形紋綸子の白無垢に食い込む荒縄…その繩尻は男の手に握ら れている。 うつろな目をした花嫁は白無垢の裾を引きずりながら、さまようように部屋の中をただ歩き回る。 その時花嫁の口からつぶや…
ー姫さまにはこれより白 無垢姿でお殿さまのご 寝所へ召されます お召替えを… お家再興のため操を捨てる覚悟をした姫は湯殿で身を浄めた後、心静かに白無垢に袖を通す。 ー今宵は殊のほか冷え まするゆえ、この綿入 れをお召しなされませ 夜の帳も降りたれば…
―父上さま、母上さま 繭もこれから参ります 殿は討ち死に、奥方も自害のうえ城も落ちたと知った姫は、心の中でそう父母に話しかけ、最期の時を迎える。 …とその時、無数の敵がなだれ込み姫はたちどころに捕らわれの身となり、敵将の前に引き立てられる。 ー…