2019-02-04 慮外者ッ(3) きもの幻想 ―父上さま、母上さま 繭もこれから参ります 殿は討ち死に、奥方も自害のうえ城も落ちたと知った姫は、心の中でそう父母に話しかけ、最期の時を迎える。 …とその時、無数の敵がなだれ込み姫はたちどころに捕らわれの身となり、敵将の前に引き立てられる。 ー縄目の恥辱を受けるく らいなら死を望みます ーそれはならぬ 姫は今宵わが殿のご 寝所へ召され、ご寵 愛を受けるのです ー妾は舌を噛みます ー殿のご意向に沿えば 姫の弟君に家督を継が せ、お家の再興を許す とのことである -何と… お家再興のためなれ ば是非もない 妾は喜んでご寝所へ 参ります