慮外者ッ(3)

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―父上さま、母上さま
 繭もこれから参ります
 
 
 
 
 
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殿は討ち死に、奥方も自害のうえ城も落ちたと知った姫は、心の中でそう父母に話しかけ、最期の時を迎える。
 
…とその時、無数の敵がなだれ込み姫はたちどころに捕らわれの身となり、敵将の前に引き立てられる。
 
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ー縄目の恥辱を受けるく  
  らいなら死を望みます
ーそれはならぬ
  姫は今宵わが殿のご     
    寝所へ召され、ご寵              
                     愛を受けるのです
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ー妾は舌を噛みます
ー殿のご意向に沿えば
 姫の弟君に家督を継が 
 せ、お家の再興を許す
 とのことである
 -何と…
  お家再興のためなれ 
  ば是非もない
                     妾は喜んでご寝所へ
                     参ります
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