薪ストーブと振袖

立春はとうに過ぎ、暦の上では春だというのに、まだ厳しい寒さは続く。
特にここは人里離れた森の中、標高は500メートルに満たないのだが、自宅周辺より3~4度ほど気温は低い。
晴れた日には日差しが部屋の奥まで注いで暑いくらいだが、日が落ちると急に冷える。
朝晩はこの薪ストーブが頼りになる。

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 日本の伝統的な暖房器具といえば火鉢か炬燵といったところだろう。
何れも主に畳敷きの和室で使うものなので、着物姿にもよくなじむ。
その意味では西洋伝来の武骨なストーブと着物姿はちょっと違和感を禁じ得ない。
しかしミスマッチ感覚とかがもてはやされる昨今、これはこれでありかも。
 
遠赤外線でじんわりと温めてくれる薪ストーブは冬の寒さにもってこいなのだが一つ難点がある。それは火力の調整が難しいということだ。
一度火を付けたら薪が燃え尽きるまで消すことができない。薪が燃え尽きても燠が残るので2時間くらいは余熱で温かい。
エアコンのように寒いときスイッチを入れて暑くなったら消すという訳にはいかないのだ。
だから実際には着物を着る時には少し注意が必要だ。
ちょっと肌寒い程度でうっかりストーブを点けると最初は快適なのだが、だんだん暑くなってせっかくの着物を脱がなくてはならなくなってしまうのだ。
 
寒さ厳しい冬の夜など、着物姿でゆらゆらと揺らめくストーブの炎を眺めるのもなかなかいいものだ。