太袘褄

ふとふきづまというらしい。
引着など裾綿の入った褄先のことだ。
綿入れお引きずりを仕立てようと思った時、一番の気がかりはこの部分だった。
縫い方がさっぱり分からないし、和裁本にも載っていない。
ネットにないかと調べているうちにこんな記事に出合った。
「非常に難しい技術で素人には無理で、専門家に任せた方がよい…」
そういわれて、はい、そうですかと黙って引き下がるわけにはいかない。
やってやろうじゃないかと、俄然ファイトがわいた。
いろいろ調べているうちに、イラスト付きの具体的な縫い方の記事を見つけ、端切れを使ってその部分だけを実際に縫ってみた。そうしたら以外にうまい具合にできた。
これで最大の難関がクリヤできたので、綿入れお引きずりを仕立てる自信がついた。
 
今では花嫁衣裳か花街の女ぐらいしか見ることのなくなったこの綿をたっぷり含んだ太い裾ふきには独特の奥ゆかしさと色気があって、昔からの憧れだった。
まさか自分で縫うことになるとは思ってもいなかった。
プロの目から見たら、箸にも棒にもかからない代物かもしれないが、自分ではまあまあの出来ではないかと納得している。
 
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雨模様の肌寒いこんな日は、綿入れお引きずり二枚襲にしっとりとくるまれて過ごす心地よさは何とも言えない。
 
 
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