雪乃幻想(5)

お義父さまのお手がついて側室として広大なお屋敷の奥まった一室に暮らすことになった雪乃は、無聊を慰めるため踊りのお稽古を始めたのでございます。

基本のお稽古が一通り済んだころ、いきなり大曲の藤娘など恐れ多いことですがお師匠さまに無理を言って稽古をお願いしたのでございます。

華やかで可憐な藤娘は雪乃の憧れでございました。

 

この日は以前から呉服屋へ誂えていた藤娘の衣裳が仕立て上がってきたのでございます。

その豪奢できらびやかなお衣裳を一目見た雪乃は心が躍り、すぐにでも着てみたいとお母さまにねだったのでございました。

 

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夜の戸張も降りた大広間。

雪乃は真新しい藤娘の衣裳をまとって一心不乱に舞っておりました。

傍らにはその所作をじっと見つめるお義父さまとお母さまの姿が。

せっかく藤娘の姿になったのだから、さわりだけでもお義父さまに見ていただいたら…ということになったのでございました。

舞い終わってほっとしながら一礼をすると、お義父さまはすっと立ち上がって来るなり、軽々と雪乃をその腕に抱え上げたのでございます。

雪乃は戸惑いながらも自然に片腕をお義父さまの首にまわすと、あっという間に雪乃は唇を吸われたのでございます。

「あ~・・・ お母さまの目の前で」

雪乃はそう囁いたのですが、お義父さまは意に介すこともなく広間から廊下へ出ると、雪乃を抱えたままお寝間へ向かってゆっくりと歩を進めたのでございました。

薄暗い廊下をお義父さまが歩を進めるたびに、長く垂れ下がった藤娘の裾がゆらゆらと揺れ、雪乃の心は女にされる悦びに震えるのでございました。

 

今宵は憧れの藤娘姿でお義父さまに抱かれる・・・

真新しい藤娘の衣裳にくるまれた雪乃の男の徴は力強く脈打ち、お菊の襞はしっとりと潤い始めていたのでございます。